平成住宅日誌―平成建設住宅部スタッフブログ―

  • 世田谷支店にて「未来の大芸術家たち」展 開催中!

    Posted on : 2015.06.29

    平成建設世田谷支店併設の、平成記念美術館ギャラリーにて「未来の大芸術家たち展」開催中です!
    平成藝術賞を受賞した東京藝術大学の8人の学生による作家展。 期間は7月7日(火)までですので、ぜひ足をお運びください。
     

    平成藝術賞とは?

    若手芸術家の育成を目的とした奨学金制度です。日本画、油画、彫刻、工芸(彫金)、デザイン、建築、先端芸術表現、芸術学の8分野において、優秀な成績をおさめた学生を表彰します。

    「未来の大芸術家たち」展について

    第一回「平成藝術賞」を受賞した、8人の芸術家・研究者による作家展です。
    今後の美術界において頭角を現すであろう若き作家たちの、瑞々しい作品を展示しています。
    卒業制作の一部も展示中です。

    世田谷支店併設 平成美術館ギャラリー

    世田谷ショールームでは、美術品を暮らしに取り入れる提案を行っています。お気に入りの美術品を身近に置いて、鑑賞する喜びを味わいませんか? ご自宅にギャラリースペースを設けたり、コレクションルームを設置するのも良いですね! 絵画や陶芸だけでなく工芸美術品なども積極的に展示しておりますので、思いがけない「好みの逸品」との出会いがあるかもしれません。どうぞお気軽にご来場ください。

    それでは、今回の展示会の作品をいくつかご紹介します。

    まずはこちら、工芸科の常信さんの作品「assiette-terrine」シリーズ。額をお皿に見立て、七宝焼きのテリーヌを配置した色彩豊かなヌーベルキュイジーヌです。ご来場の方々からは、「かわいい!」「楽しい!」とのご感想や、高い技術力を賞賛する声を頂いています。七宝焼きでこの造形は凄い。数年前よりお菓子を装飾に取り入れる動きがありますが、今後はこれ、テリーヌがきますよ。

    こちらは「asiette-terrine-chou」。chouはシュークリームのシュー。キャベツです。サーモンが美味しそう。グラデーションが柔らかく思わず口にしたくなりますが、齧ったら歯が欠けます。

    こちらは「asiette-terrine-jambon」。jambonはジャンボン・ブールのジャンボン。ハムです。外に肉、中に野菜と栄養バランスが取れた献立。根菜が美味しそう。蓮根食べたい。

    続いてこちら、建築科の橋本さんの作品「壊れないもの」。建築科の作品は大規模になってしまうので、今回は模型の展示です。
    モチーフは京橋の首都高速道路。未来において「もし」首都高が不要となった時、人はそこに新しい価値を見出すかという作品です。建築といっても様々、商業施設や住宅のような建築物から都市計画、風景のレイアウトまで、非常に幅が広いジャンルです。「未来」というテーマに、ご来場の方々はそれぞれ思いを巡らされていました。昨今、世界中で頻発する自然災害を連想し、都市直下型地震を心配する声も。耐震大事ですよ! 鑑賞後、そのまま2階ショールームにてリフォームのご相談もお受けします。

    こちらは先端芸術表現科の濵口さんの作品「Crystal paragraph Wisdom」。クリスタルガラスと、それを通じて「見る」人の視点を取り上げています。これは鑑賞する人なしでは成立しない作品ですので、ぜひ会場にて、無限に変化するガラスの中の像をご覧ください。
    ご来場のお客様からは「挑戦がすごい」「美の価値観を作り出すのは難しい」との声が。作品を通じて作家の感性に触れることができると好評です。
    20世紀後半の情報革命からこちら、様々な分野の主体者が変わりつつありますが、芸術も鑑賞するものから体験するものに変わっていくのかもしれません。

    彫刻科の諸岡さんの作品「頂/底」。大理石で造られた山の頂が、鏡面の向こうに広がる作品です。安定しているように見えるものが、実はこの上なく不安定であったという作品に、哲学を感じるお客様が多いようです。冷たく硬いはずの石から、何故か感じる柔らかさや優しさ、不安定な形状なのに安定している造形に、作家のしっかりとした生き方や価値観、強さを感じるとの声も。世界観だけでなく、それを可能にした技術の高さも賞賛されていました。富士山の上がこんなになってたら怖いですよね。特に御殿場あたり。

    絵画科油画専攻の内藤さんは、油画ではなく水彩やテラコッタ粘土、編み物などを使った「The family」を展示。超難関とされる藝大油画専攻、その中にあって更に他の手法でも表現を行う多才さに多くの方が驚かれていました。並べられた作品を一つずつ鑑賞し、浮かぶ感想は人それぞれ。分かる部分があり、分からない部分があり、感想も人それぞれ。もともと感じ方に正解はないのですから、それで良いのだと思います。

    絵画科日本画専攻の杉山さんの作品「gips」です。非常に申し訳ないのですが、全体写真にすると光源その他の問題から、モチーフが見えづらくなってしまいました。描かれているのは日本家屋です。羽目板の質感やガラスの歪んだ感じが素晴らしく(写真だと良く分からない)、羽目板が高層ビルに見えたり、窓の向こうに海や空や宇宙が見える(写真だと良く分からない)等、ご来場の方々からは非常に好評で、過去から未来へのイメージが広がるとの感想を複数頂いております。素材に石膏を用いており、日本画との組み合わせに驚かれる方もいらっしゃいます。ギプスはドイツ語で石膏のことですね。

    デザイン科の佐々木さんの作品「襷をかける」は、スタイロフォームとアクリルガッシュを素材としています。彫刻科や工芸科とは一味違う素材選定に驚く方が多くいらっしゃいました。襷がけという動きのある動作の表現方法についても「センスがいい」との感想が。


    ……ところで、杉山さんの作品の横の方にスカート姿の影が映ってるので誰か写りこんでるぞと思ったんですが

    人じゃなくて持国天でした。

    女子力高いポーズの持国天。

    こちらは佐々木さんが卒業制作で造られた四天王のうちの一体で、非常に見応えのある作品です。ぜひ間近でご鑑賞ください。

    また、芸術学科の武内さんは「信貴山縁起絵巻の研究」を展示されています。信貴山縁起は12世紀に成立したと考えられ、「鳥獣人物戯画」や「源氏物語絵巻」と並ぶ四大絵巻の一つ。人々の生活が活き活きと描かれ、豊かな表情や躍動感に溢れる傑作です。絵巻物はマンガのルーツとも言われており、日本文化に深く根差した表現方法です。ぜひその魅力の一端に触れてみて下さい。


    ご不明点はお気軽に世田谷支店までご連絡ください。「未来の大芸術家たち」展は7月7日(火)まで。イベント詳細はこちらをご覧ください。

    「未来の大芸術家たち」展 告知