case.22 神奈川県海老名市 Y様邸
入母屋造(いりもやづくり)の屋根が少し膨らんで見える、珍しい、起り屋根(むくりやね)の和風住宅です。 重厚な和室や坪庭は、施主様と棟梁のこだわりが生み出したもの。 随所に光る職人の手技が美しい住まいです。
屋根が少し、外側に膨らんで見えるのが分かるでしょうか。優美な曲線を描く「むくり屋根」は、伝統的な技法のひとつです。
屋根の曲面は、凸の形状を「むくり」、凹の形状を「そり」と言います。
重厚なたたずまいに相応しい、威風堂々とした玄関がお客様をお迎えします。
室内も、伝統的な和風建築形式を踏襲しています。
二間続きの和室は、落ち着いた陰影によって心安らぐ空間に。
彫刻欄間は杉材。銘木問屋にて、お住まいに相応しいものを選びました。
床の間、書院、違い棚も伝統的な表現を用いています。
堂々とした床柱は紫檀(したん)。
虫害や菌に強く、耐朽性に優れた高級木材ですが、何よりもその美しい風合いが、和室に入った人の目を惹きます。
和室の壁は聚楽塗(じゅらくぬり)です。
和風建築の素晴らしい点は、空間を自由に制御できること。
襖を閉じればそれぞれが独立した部屋に、そして襖と障子を開けば、一転して広々とした共有空間になります。
坪庭。
室内から観賞するために設えた坪庭は、御簾垣(みすがき)を適切な高さに配置することで外部からの視線を遮り、プライバシーを考慮しています。
- case.17 坪庭と栃のテーブルがある家
- case.67 大開口のある平屋造り