case.52 静岡県三島市 K様邸
「細長い土地なんですが、窮屈さを感じないような家を建てられますか?」というのが、施主様の最初の質問でした。 出来上がった建物の間口は2間(約3.6m)ですが、キッチン・ダイニング・リビング・土間という空間の連続性と、窓などの配置、片流れの屋根を活かす設計によって、開放感のある造りとなっています。 室内にはふんだんに無垢の木材を使用し、塗料も天然由来のものを使うなど、住まわれる方の健康問題にも配慮。 「敷地形状を活かし、どれだけ広々とした印象を生む事ができるか」が建築コンセプトです。
細長い土地に建つ奥行きのある住まいなので、デザイン性を考えて片流れの屋根を採用しました。
外観は「金属素材が良い」というご希望により、ガルバリウムを使用。
外壁の色をブラックにするかシルバーにするかで迷われていたので、それぞれの色調パースを作成してご覧頂き、最終的にシルバーに決定しました。
広めの土間を擁するエントランス。框に使った皮つきのけやき板は、施主様と一緒に木材店に行き、選んで頂いたものです。
右手に見える立派な柱と框は、ご家族が所有する別の家に使われていたもの。
取り壊しの際に思い出を大切にしたいとのご希望があり、新しい家にそのまま使用することになりました。
リビングスペースは奥のキッチンダイニングと土間を繋いでいます。
2階にリビングを配置することもご提案したのですが、「祖父母が孫に会いに来やすいよう、リビングは1階にして欲しい」とのことでした。
リビングのテーブルは無垢のトチ。こちらも施主様が選ばれました。
右奥に見える赤い柱もまた、エントランス同様に以前のお住まいで使われていた柱を再利用しています。
化粧梁を見せることで天井に高さを生んだリビング・ダイニング。
リビング・ダイニング間に構造上どうしても筋交いが必要だったのですが、壁ができてしまうと空間が狭くなるため、構造体を露出させて視線を通し、開放感を生んでいます。
天井の化粧梁にはライティングレールを配し、配線を無くすと共に、LDKのレイアウトに合わせて照明の位置を変更できるようにしています。
階段には3枚の引き戸がついており、ここを閉めることで暖気・冷気が階上に逃げることを防ぎ、光熱費の削減になります。
限られたスペースを最大限に活かすために、階段下は収納に。
画像奥の扉は土間とリビングを仕切っています。閉じればLDKとして独立した空間に、開けば土間と一体化した大空間に、それぞれ用途に合わせて切り替えが可能です。
2階の子供部屋は勾配天井を活かしたロフトを採用。
壁の一面を鮮やかな黄緑にしてポップな印象に。床材は1階・2階ともにレッドパインの無垢材を使っています。
2階にある部屋は全て、ロフト、小屋裏収納、勾配天井と、屋根の形状を活かした造りになっています。