case.60 静岡県伊豆の国市 G様施設
築100年の母屋と石蔵を解体し、企業施設を新築しました。 お施主様のご希望は「生まれ育った母屋のような広い土間が欲しい」とのことでしたので、建物に入ってすぐに約20帖の広い土間を設けています。 石蔵で使われていた伊豆石を再活用した土間は、2階の勾配天井まで繋がる大きな吹抜けにより、非常に開放感のある空間となりました。 現在は社員の皆様の休憩所として利用されています。
天井が非常に高く、開放感溢れる石土間。
テーブルは旧母屋で使用されていた差し鴨居を3枚繋ぎ合わせ、当社大工が加工して仕上げました。テーブルの縁には鴨居の名残となる溝が残されています。
写真奥に見える3枚の板襖は、この鴨居と共に旧母屋で使用されていたものです。
勾配天井と梁、そして二階にある多目的スペース。
全ての梁と柱は飫肥赤杉(オビアカスギ)を使用しています。
築100年を超えていた母屋と石蔵から、建具や構造体、石などを移築。階段を仕切る格子戸は旧石蔵の入口に使われていた蔵戸を再活用しています。
伊豆地方は昔から良質の石を産出しており、切り出された伊豆石は蔵や塀などに良く使われていました。
この独特の風合いは、長い年月を閲したものだけが持つ、特別なものです。
小上がりの共用スペースは柔らか味のある相生杉の無垢板を使用することで、畳感覚で寛げる空間となりました。
共用スペースと土間を仕切る、障子をはめ込んだ板襖(いたふすま)と、中央の立派な大黒柱は旧母屋のもの。右端の建具は全て旧石蔵のものを移築しています。
大きな吹き抜けに面し、勾配天井によって1階と一体化した2階部分です。 床は相生杉(あいおいすぎ)、壁には自然素材のホタテパウダーを使用しています。